夜になっても、あたしは瓶の中には入れられなかった。


羽が大きくて入らないのだ。


それに、このおもりがあるから逃げられないと思われたのだろう。


電気が消えて真っ暗な部屋の中、あたしはハンカチの上に丸まるようにして体を横にしていた。


背中の痛みはもはや全身の痛みに変わり、どんな体制でいても常にどこかに痛みを感じていた。


キツク目を閉じて見れば鏡に映しだされた自分の姿が浮かんできて、すぐに目を開けた。


眠れるわけがなかった。


朝ご飯はどうにか食べたけれど、昼ご飯と夜ご飯はどうしても喉を通らなくて食べる事ができなかった。


体力を温存するためにも、なるべくジッとしているように心がけていた。


同じ体制でずっとうずくまっていると、陽介君のスマホが光るのが見えた。


誰かからメールでも届いたのかもしれない。


災害メールの可能性もある。


陽介君は深い眠りに落ちているようで、その事に全く気が付かない。


昼間あれだけ興奮状態だったのだ。


ちょっとしたことでは起きないだろう。


そう思った時だった、あたしは自分のスマホがどこにあるのだろうかと顔を上げた。


きっと、この机の周辺にはないだろう。


そう思いながらも立ち上がり、本の隙間に入り込んで探してみる。