なんだろう……?


そう思ったときだった。


自分の体重がいつもより重たい事に気が付いた。


睡眠薬のせいではない。


背中に何かを背負わされているようにズシリと重たいのだ。


起きた時に感じた皮膚のひきつりも、背中に感じていた。


「なに……?」


あたしは一体どうしてしまったんだろうか?


不安になり、だけど確認することが恐ろしい。


陽介君が座っているベッドの上には沢山のまるまったティシュが乱雑に投げられていた。


「お前は本当に素敵だな」


陽介君がそう言い、ベッドから立ち上がってあたしに近づいてくる。


指先があたしの胸に触れて痛みに顔をしかめた。


逃げようと身をよじるが、背中が重たくてうまく逃げられない。


陽介君は机の前に座り込むと、カチャカチャと何かを始めた。


それがベルトを外す音だと気が付いたのは、陽介君の右手に握られたティッシュを見たからだった。


「残念だな。お前を抱く事ができれば本当に満足なのに」


そう言いながら興奮したほうに頬を赤くし、鼻息も荒くなっていく。