1年生の頃から和のリーダーシップは生かされていて、それを見ていたあたしは自然と和にひかれていたのだ。


あまり人前に出るのが得意じゃなかったあたしだけれど、一生懸命な和を見ていると、自分も頑張らないといけないという気持ちになった。


だから一生懸命頑張って、1年生の2学期から和と一緒に委員会の仕事をしたりもした。


その頃からあたしと和の距離は一気に縮まっていったのだ。


駐輪所の整理なんていう地味な仕事ばかりをやっていたけれど、2人でやるととても楽しかった。


2学期の最後、委員会の仕事が交代になる時、あたしは和に呼び出された。


それはいつも2人で仕事をしていた駐輪所だった。


昼休みの駐輪所に生徒たちの姿はなく、ただ整然と自転車が並べられているだけだった。


「ここも随分綺麗になったね」


あたしは自転車を見てそう言った。


「だよな。俺たちが仕事を初めてすぐの頃ははみ出したり、放置された自転車があったり、大変だったよね」