あたしはその場に立ち尽くして陽介君を見上げていた。


目は血走り、鼻息は荒い。


陽介君は最初からあたしにこんな事をするために助けたのかもしれない。


自分に思い通りになる人形が手に入ったと、科学室であたしを見つけた時から喜んでいたのかもしれない。


あたしはグッと拳を握りしめた。


あたしの今の体じゃ、エッチしたくてもできない。


少し触られるとか、少しなめられるとか、きっとその程度しかできない。


それだけが、今のあたしにとっては救いだった。


「おい、聞いてんのか?」


陽介君が人差し指を伸ばして来たのであたしは咄嗟に自分の体を両手で抱きしめていた。


そして、睨み付ける。


それがせめてもの抗議だった。


いつでもあたしを殺す事のできる陽介君に逆らうなんて、あたしにはできなかったから……。