「一旦、この瓶の中に戻ってもらう」


陽介君はそう言うと、あたしの胴体を掴んだ。


いとも簡単に持ち上げられる。


「離して! 瓶の中は嫌!!」


両手両足をばたつかせてみるけれど、何の意味もなかった。


あたしは再び瓶の中に入れられて、その場で膝をついた。


瓶の中から見える歪んだ景色に、一気に涙が込み上げて来る。


見慣れているはずのベッドやテーブルがひどくいびつで、恐ろしいものに見える。


すべてあたしを攻撃してくる道具のようだ。


しかし、今日は蓋はしめられなかった。


あたしの手が届かないとわかり、安心しているのかもしれない。