立ち上がり、大きな声を上げる。


「何言ってんだよ。『トイレに行きたい』その一言も言えないのか?」


陽介君は笑いながらそう言う。


そんなの、よく知らない男子生徒に言えるわけがない。


陽介君はそれをわかっていて、わざと言っているのだ。


「ほら、準備はしてあるんだよ?」


陽介君はそう言うと、陽介君の親指ほどの小さな段ボールの箱を見せて来た。


段ボールの真ん中にはナイロン袋がかぶせられていて、簡易トイレになるようだ。


それを見た瞬間、強い尿意が込み上げて来る。