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それからあたしたちは学校を出てお父さんの運転で陽介君の家へと向かっていた。


あたしの考えが正しければ美衣を助け出さなければいけなかった。


そもそも、それが美衣との約束でもある。


「結局、時間がたてば元に戻るんだったのか?」


運転をしながらお父さんがそう聞いて来た


「わからない」


あたしは左右に首を振ってそう答えた。


あたしは結局薬品をかぶってはいなかった。


体が元に戻った時には美衣を助けに行かないといけないと、強く思ったことくらいだ。


「でも、よかったわ。これで病院にも行けれるわね」


お母さんがそう言った。


大きくなった状態で自分の足を見ると、切断された箇所がギザギザに切られていることがわかった。


時間が経過しているため、骨が隠れる程度に塞がっているものの、検査は必要だ。


けれど、今は美衣を助ける事が先決された。


あの家の中でどんな仕打ちを受けて来たのか、考えるだけで吐き気がした。


「ついたぞ」


お父さんが陽介君の家の前で車を止めた。


何週間も監禁されたこの家を見上げると、さほど大きな家じゃないことがわかった。


「行こう……」


あたしは家を見上げて、そう言ったのだった。