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次に目を覚ました時、あたしは見知らぬ家の前にいた。


赤い屋根に白い壁。


小さな二階建ての家には、小さな庭がついていて、そこには芝生がひかれている。


「ここが陽介君の家?」


「あぁ。そうだよ」


頷く陽介君にあたしは思わず笑ってしまった。


陽介君にはこんなに可愛らしいイメージは持っていなかったから、おかしくなってしまったのだ。


「俺には似合わない家だって思っただろ」


チラリと睨んでそう言われたので「ごめん」と、素直に謝った。


「まぁいいけど。さっきの地震の被害には会ってないようだし、とりあえず安心した」


陽介君はそう言い、ホッと息を吐き出した。


確かに、外から見る限りでは建物の倒壊などはなさそうだ。


だけど科学室の大きな棚でも倒れてきていたのだ。


家の中がどうなっているか心配だろう。