あたしの体を外に出した和は、まじまじとあたしの顔を覗き込んできた。


隣にいるお母さんも同じようにあたしを見ている。


「本当に、こんな事がおこるんだな」


「百合花ちゃんは元に戻るのかしら」


お母さんが不安そうにそう言った。


確かにそうだ。


これからこの体が元に戻るのかどうかはわからない。


でも、外に出る事ができたんだ。


地獄のような日々からの解放。


それだけであたしは満足だった。


その思うとホッとしてあたしは和の手の中で目を閉じたのだった……。