それから数ヶ月後、颯輝先輩とは毎日の様に会って勉強を教えている。
ある日の放課後

「憂依、部活行ってくるね。また明日ー。海恋いこ?」

友達を連れて部活に行く蓮音を見送り、帰る用意をする。蓮音は女子バスケ部に入部している。

「望月さん、あそこで先輩が待ってるわ。」

クラスメイトが指さした方を見ると、颯輝先輩がいた。中庭に行くからそこでって言ってたのに。

「有難うございます。」

クラスメイトにお礼を言い、すぐに彼の元に行く。

「颯輝先輩、中庭で待っててくれればよかったのに。」
「憂依ちゃん、来るかわかんないもん。」

少し子供っぽいところとか可愛いなって思う。

「これから行こうと思ったんですよ。でも、雨降りそうですよ?」

歩きながらそう言うと彼は空を見上げて、寂しそうな顔をした。

「本当だ。憂依ちゃん、帰る?」
「先輩は?」
「家帰っても誰もいないからどこかで時間潰す。」
「図書館行きませんか?勉強しなきゃいけないですし。」
「んー、憂依ちゃんが行くなら行く。」

ということで図書館に行くことになった。