「憂依、颯輝くん、朝よ。起きなさい。」

朝お母さんが起こしに来てくれる。

「んー。おはよう、お母さん。」
「おはよう。颯輝くん、起こして着替えたら降りてらっしゃい。」
「分かった。」

お母さんは下に降りていった。

「颯輝先輩、起きてください。」

軽く揺さぶると布団に潜り込んでしまった。

「颯輝先輩ー。朝ですよー。」

さっきより激しく揺さぶると

「あと5分。」

と言って起きる気はなさそうだ。
私は先に制服に着替える。

「5分経ちましたよ?起きてください。」

揺さぶると今度は起きてくれた。

「ん、はよ、憂依。」
「おはようございます。着替えて下行きましょう?」
「あーい。」

可愛い寝癖をつけて眠たそうに着替えはじめる先輩。私はその間、髪を結った。蓮音から、文化祭は髪を下ろしてって言われたからサイドで三つ編みしてそれを後ろで括った。リボンを先輩に選んでもらいそれを結び準備完了。先輩も着替え終わったみたいで戸の前で待っていた。

「行こ?憂依。」
「はい、先輩。」

下に行くと今日はトーストにスクランブルエッグがメインの朝食だった。

「うまそ。おばさん、いただきます。」
「えぇ、どうぞ。憂依も早く食べなきゃ遅れるわよ。」
「うん、いただきます。」

お母さんはお店の用意をしにお店の方に行く。

「ふい(憂依)、はあくたえなきゃ(はやくたべなきゃ)。」
「飲み込んでから話してください。」

口の中にものを入れて食べるのって子供だけかと...。

「憂依、早く食べないと遅れるよ。」
「あ、そうですね。」

急いで食事を済ませ、お弁当をカバンに入れる。

「先輩、これお母さんが作ってくれたんで持っていってください。」

先輩にお弁当を渡してお店に顔を出す。

「お母さん、行ってきます。」
「いってきまーす。」
「あら、もうそんな時間?気をつけるのよ。いってらっしゃい。」

お母さんにあいさつして家を出る。