花言葉 〜大好き〜

先輩がお風呂に入っている間、ずっと彼のことを考えていた。

「憂依が男の子の友達連れてくるなんて初めてね。」

いつの間にか入ってきたお母さん。

「お母さん。」
「好きなんでしょ?颯輝くんのこと。」

思ってることを言われて顔を赤らめて下を向いてしまう。

「好きなら好きって言いなさいよ。勇気は一瞬だけど後悔は一生でしょ?」
「そうだけど、もし好きって言ってこの関係が崩れたらって考えると怖くて。お母さん、憂依どうしたらいいのかな。」

こういう時お母さんはいつもそっと抱きしめてくれる。お母さんの爽やかなお花のいい香りがする。それ香りがなんか安心させてくれる。

「憂依、怖がってたら恋なんてできないわ。勇気を出して頑張って。」

そう言って私の頭を撫でて部屋を出て行った。

しばらく経った頃、颯輝先輩が戻ってきた。

「憂依、お風呂どーぞー。」
「有難うございます。じゃあ行ってきますね。」

髪を解いてお風呂に入ろうと部屋を出ようとしたところで颯輝先輩に呼び止められた。

「憂依、明日から文化祭じゃん、一緒に回ろうよ。」

お風呂上がってからでも良いと思うけど。

「良いですよ。じゃあ、お風呂に入って来ますね。」

今度こそ部屋を出て1階に降りるとお母さんが明日の用意をしていた。

「お母さん、お風呂入ってくるね。」
「えぇ、恋する乙女さん。ごゆっくり。」
「お母さんったら。」

またからかわれそうだから急ぎ足でお風呂に入る。