なんとなくだ、あの森に近づいたのは。




巡察終わりに、何か物騒な物言いが、ある森の奥から聞こえた。


だから近づいて、そこで今にも襲われそうだった少女を助けた。




そう、始まりは、たったそれだけのこと。






「新選組8番組隊長、藤堂平助――!」





そう名乗ってしまったのは、誤算でしかなかったが……






《 呼び出し 》