私はふと、壇上にいつの間にか置いてあった2つのクリアケースに目を向けた。

「何が入ってるんだろ…?」

少しでも情報がほしい。私たちがここから出るための、情報が。

クリアケースの中には様々な武器が入っていた。

「何よ、これ…」
「…本当に、あいつは私たちに殺し合いをさせるつもりなの…?」

なんで…?
なんの目的で…?

「職員室には先生がいるはずだ。こんなの、タチの悪い冗談だろ?行ってこようぜ」
「ちょっと…あの武器、たぶん本物だし…見たでしょ!?人が死んでるんだよ!?迂闊に動かない方がいいって、危ないよ!」
「何もしないまま騙されたままでいれるかよ!!」

あれは隣のクラスの…葛西(カサイ)くんと清水(シミズ)さん?

「とにかく、俺は行ってくるから」

私も迂闊に動かない方がいいと思うけど…あまり話したことないし、止めづらい。

「うわ、ほんとに本物じゃん…」
「こんなたくさんの武器…」

琥珀と馬渕くんがクリアケースを覗き込んだ。

「殺し合いなんて嘘っしょ…?このご時世だよ?」
「…人が死んでる以上、あっちは本気だろうな。テロかなにかだと思った方がいい。でも、俺達には殺し合う理由がない。時間が経てば警察が助けにくるだろうし、それまでの我慢だ。」

…確かに、殺し合う理由がない。
3日…早くて明日にでも助けが来るはず。問題は無い。

でも、この状況。
巨額の賞金、大量の武器、シャッターで封鎖された監禁状態、たくさんの人間…

これが、心理状況に響くとしたらーー