「…え?」

志穂が訳が分からないという感じの声をだした。私も、一瞬、この人の言っていることが理解出来なかった。

男の人は壇上で薄い笑みをうかべていた。

「ちょ、あんた何言うてはるん?意味わからんで?」

眞音がみんなが思ってることを口に出した。

「今日はセミナーのはずやろ?なんやの、…殺し合いて。」
「…聞いたままのことです。あなた方、全員で。殺しあっていただきます。」


「もちろん、生き残った方には御褒美を差し上げます。賞金10億でどうでしょう?」

10億
そんな現実味のない金額を急に言われても、余計に混乱するだけだ。

「い、意味わかんない…何なの!?そんなくだらない冗談に付き合わされるくらいなら帰るわ」

違うクラスの女の子がホールを出ようとした。

「辞退するという方は…負けを認めるということと見なします。」


パアンッ


聞き慣れない破裂音がした
顔なじみのない女の子が、床に、倒れた
血がドクドクと溢れている


「「きゃああああああああああ!!!!!」」

あの子が銃に打たれたんだと理解したとき、周りで悲鳴があがった。

数人は嘔吐してしまっている。
私はただ呆然とするしかなかった。


「早く周りを殺してしまえば、早くここから出られますよ。」

なんなのこれ?

「みなさんの御武運を願っております。」

平和な日常が

崩れていく。