アリスゲーム


―――グイッ

「わ!?」

急にアリスちゃんに腕を引っ張られた。
その瞬間、私がいた所に金属バットが勢いよく叩きつけられた。
引っ張られなかったら確実に金属バットの餌食になっていただろう。

「クソ、よけるなよ」

そう言って舌打ちしたのは何度か話したことがある男子生徒。

「な、なんで…」
「お前らの武器もらうために決まってるだろ。死ぬなんてまっぴらごめんなんだよ!!」

そう言いながら男子生徒はまた思い切りバットを振りかぶった。
私はよけられなくて怖くて目をつむってしまった。けれど、殴られることはなかった。

「俺らかて死ぬのはごめんなんやけどな」
「眞音…」

今度は眞音が男子生徒の腕を掴んで止めてくれた。

「俺、お前みたいなやつ大っ嫌いやねん。お前みたいなやつが1番に死んだらええんやないの?」
「―っ、ふざけんな偽善者!!こっちは武器も何もないんだ!!お前らと違ってこっちは殺さないと殺される立場なんだよ!!」
「俺らは殺す気ない言うてるやろ。被害妄想激しすぎや。あんたらが手出してこんのやったらこっちも何もせんわ。」
「武器持ってても殺す気なんてない俺たちだって君らと同じで窮地に立ってるんだよ。理解してほしいものなんだけどね。」



「生きるのは俺らなんだよ…!」

「っ!?」


物陰に隠れていたらしいもう1人がカッターで眞音を切りつけた。

「眞音っ」
「ちょっと、いくらなんでもやりすぎでしょ!?僕らは敵意ないって言ってるのに!!」
「チッ、ほんま卑怯やな…」

切られたのは腕だけど少し深い。血がたくさん出てきている。
すぐに止血してあげたいのに少しでも動けばまた標的にされそうで怖くて動けない…