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「ぅ…あ……」
「……ん」
何か聞こえた…?
寝るために電気を消し、みんな寝静まった静かなホール内で、何かが聞こえた。
月明かりもない闇の中で、何かが動いていた。誰かが起きて動いている?
ドクドクと胸が早鐘を打つ。
私は、スマホの電源をつけて音の方へ向けた。
「…起きたんだ」
「葛西、くん?」
何してるの?
その言葉は出てこなかった。
葛西くんの手には、血に濡れた刀が握られていたから。
「ひっ!?」
なんで?なんで血がついているの?
「…早く殺さないと、殺されるだろ?先生たちみたいに。」
言いながら、葛西くんは刀を何かに突き刺した。
「早く、早く殺さなきゃ、はやく、はやく」
私はとっさに電気をつけた。
「み、みんな起きて…早く逃げて!!」
早く逃げないと…
葛西くんの周りはみんな、血だらけになっていた。
たぶん、もう、死んでる。
「葛西っ!?お前何やってんだよ!?」
「刀!?」
「きゃああああああああああ!!!」
ホールがパニックになった。
出口の近くにいた私たちはいち早くホールを出て逃げた。


