男嫌いな女王様とクールな臣下


「B.C. square TOKYOで働く女性のためのシンポジウム」
と銘打った会議が開かれるから、お前行って来い。

前野久俊の上司である、BCエレクトリック社、社長の川崎が今朝になっていきなり言い出した。

「ええっ、それは、無理です。これから打ち合わせですから」

「では、速やかにスケケジュールを調整しなさい」

「川崎社長、あの」

前野は、朱音と区別するためにそう呼んでいる。

前野は、先週からここ、BCエレクトリック社で働き始めたばかりだった。
役職は、システム開発部部長。

この会社は創立されて間もない会社だ。

B.C. square TOKYOプロジェクトが発足して、とりあえず、ビル上の運営から必要に迫られたために、慌てて作られた会社だ。

社員の多くを、堀田土地開発のシステム部、関連会社から、寄せ集めては、引き抜いて来て何とか間に合わせている。

オフィスのフロアには、30人ほどの社員がいるが、管理の仕事をしている2人をのぞけば、全員システム開発の技術者だった。

ただ、二十数人いる技術者のうち、即戦力として使えるのは、ほんの数人だった。

いくらなんでもひどすぎる。
川崎社長から事情を聴いてみると、
『手が空いているものから、呼んで来た』

だなんて、絶望的なことを言われて、前野は頭を抱えていたところだった。