「おお、これはよく撮れてるじゃありませんか。お嬢様。相変わらずお美しゅうございます」
まるで、孫娘のお見合い写真を見るように目を細める。
「影山!孫の写真見てるみたいに喜んでる場合じゃない。どうして、一番目立つ写真が、社長の私の写真にすり替わってんのよ。
ビルの全体写真載せろって言ってあったのに、写真が逆でしょう?ビルの写真が全然目立ってないじゃないの」
影山は、イラついているお姫様をあやす様に微笑んで見せる。
影山にとっては、学校に行きたくないと駄々をこねていた小さなお姫様の頃と変わっていない。
「ビルは。どれも同じですからねえ」影山は、小学生の孫に話す様にいう。
「影山、新聞社に電話して!」
影山は、一応驚いて見せる。


