男嫌いな女王様とクールな臣下

副社長を筆頭に、もう一人の副社長。
専務が2人、常務が1人。
そして第一秘書の影山と、顧問弁護士の榎田。

榎田は、重役ではないのだけれども、重役たちとずっと行動を共にしているから、7人の中に入れられている。

社内の呼び方は、若年寄だった。

榎田は、定例会の出席は義務付けられていなかった。

顧問弁護士という立場上、議論の必要な重要な案件かどうか見極めて、そうでなければ出席しない。
なので、今日の会議も欠席である。

今日は、横浜のマンションで調査が必要なケースが出て来たということで、そっちの仕事でかかりきりなんだろう。

いつものことだ。
他の重役も、榎田に関しては、まったく気にしなかった。


社長の椅子を挟んで、大きなテーブルに6人が3人ずつ向かい合って座っていた。


「影山の報告によると、大平銀行の会長の次男坊が、お嬢様の婿養子に名乗りをあげたらしい」と営業担当の常務の渡辺が口火を切った。