朱音に向かって先々代、つまり朱音の祖父の存在は絶対的である。
祖父は戦後の復興期に、町の土建屋だった会社、堀田土地開発を大きく発展させてきた功労者だ。
その祖父の名前を出すことによって、朱音をコントロールしようとしてるのだ。
「かしこまりました。あっ、そういえば、今日のお昼は、恩田様とお食事でございましたね。会員制のラウンジでご用意いたしましたので、ごゆっくりどうぞ」
「春妃がくるの?」
そうして機嫌を取ることも忘れない。
「はい。さようでございます」
「久しぶりだなあ」
「今夜は、ごゆっくりとお楽しみください」


