男嫌いな女王様とクールな臣下

結局、朱音は社長室に戻って、座ってぼんやり空を見つめたまま、業務終了の時刻を迎えてしまった。

日が長くなってきた。

こんなに長い時間空を見てたの久しぶりだったな。

最後の夕焼けのオレンジ色の風景が印象に残った。

夕焼けは、墨を流したような空になって、やがて暗くなった。



社長室も、明かりのないまま闇の中に、街の明かりだけが浮かんでいる。

朱音は、8時を回ったところで前野に、メールを送った。



――お忙しいところすみませんでした。
またの機会にいたします。今日はもうこれで失礼します


「どうにかして、今日中に伝えたかったけど。あの調子じゃ無理かな」

釈明することもないんだけど。

せめて自分の口から言いたかった。

でも、その機会もダメになっちゃったな。

明日、彼は報道で知ることになると思うと申し訳ないけど。