お昼の前に春妃のところに行こう。
そう思い立って、方々に電話を掛けたら
「なんの用事だ?」
と彼女の婚約者に疎まれた。
「今どこにいるのか知りたいの、直哉知ってる?」
「知ってどうする?」
朱音はおかしくなる。
こいつだけは、ずっと変わってない。
「話がしたいだけだって。他に何をするの。教えないとどうにかして探し出すわよ」
「それなら、俺も行く。一緒に落ち合おう」
「わかった。春は今どこにいるの?」
「ホテルだよ。衣装合わせってやつだ」
「そっか、直哉はすぐに出られるの?」
「んん、そうだな。後一時間くらいで行ける」
「わかった。じゃあ、ホテルで待ち合せよう」
直哉と電話を切った。
朱音は、目の前にそびえ立つ、B.C. square TOKYOのビルを見上げた。
相変わらず、単純なやつ。
詰めが甘いんだよ、直哉。


