「どういうこと?」
榎田が、契約書を何度も見直してる。
「そんな無茶なこと言い出すなんて……」
さすがに榎田も、銀行側の答えに言葉をなくした。
「向こうは、中止にできないと踏んで仕掛けてるみたいね。すべて計画的に」
罠にはまった獲物のように、抜け出そうとすると、余計に抜けられなくなる。
「断れよ、そんなもん。何も犠牲になることないだろう」
怒りをあらわにして、榎田がいい放つ。
でも、こういう時は、声をあらげて見たところで、何も解決しない。
「B.C. square TOKYOの計画は、すでに動き出してるの。今、資金が凍結されたらこの計画は頓挫してしまう」
そんなことわかってる。
榎田が身ぶりで示す。


