「でもね、子供の頃そうだったからと言って、これからも、一人ぼっちにならなきゃいけないってことはないんだよ。
俺たちは、過去の反省を元に、過去と同じにならないって思えば、幸せになれると思わないか?」
言い方は、冗談半分だけど、眼差しは真剣そのもの。
朱音も、考えは同じだ。
「はい」
「よかった。騒ぎが落ち着いたら、二人の将来のこと考えて欲しい」
「ええ……」
朱音は、即答はできなかった。
嬉しいことなのに、ハイと言えなかった。
自分で背負ってきたものが大きすぎる。
『将来のこと』って言われて、自分には、どれだけ考えなきゃいけないことがあるのか、想像しただけで、気が遠くなる。
一緒に歩いてくれるパートナーにも、山のような問題を、背負わせることになる。
お互いに好きという気持ちだけで行動すると、自分の父のように周りに迷惑をかけるのだ。


