男嫌いな女王様とクールな臣下

「今日、会場であなたの姿を見つけた時、スッと気持ちが楽になったの。
実は、スピーチって何度経験しても、壇上で上がってしまって……」

「スピーチで上がってたの?
本当なの?嘘だろう?
まったく、そんなふうには見えないけど」

「実は、そうなの。誰にも言ってないの。重役もその事に、誰一人気がついてないと思うわ」

「驚いたな。君は苦手なことも、完璧にやり遂げるんだね」

「苦手なことを無くすことが、そんなに大変なこと?」

「普通はね……」

「そういうの、許されなかったから……」

前野にそっと抱きしめられて、初めて認められたと感じた。