男嫌いな女王様とクールな臣下

「あなたは引き続き調査を進めて。坂田にはもう少し突っ込んだ損害額を調べてもらわなきゃ」

「そっちは、もう、とりかかってるよ」

「そう。数字が出たらすぐに教えて」

「わかってる」

「損害は確かに小さくはないけど、乗り切るまでは気を抜けないわね」

「ああ……」

「これなら、メインバンクの方も納得してくれると思うわ」

「朱音?」
二人だけの会議室に、榎田の声が響いた。

「なに?」

他のことで頭がいっぱいだった朱音は、普段と違う、緊張した榎田の様子に気が付かなかった。

「さっき、君といっしょっだったのは、誰?」

「ああ、久俊さん?BCEの開発部長よ」

「開発部長?役員でもないやつが、なぜ君のそばについてるの?」