「都合ついたよ、父さん」
「なんだ?相手は、金持ちの女か?」
「お金持ちには違いないね。そのうち紹介するよ」
父の部屋を出て、兄の居場所を探す。
リビングに行って、父の秘書をしている、異母兄弟の兄の姿を見つける。
事務所の人間と話していて、会話が途切れるまで待つ。
自宅前の取材陣に囲まれて、身動きが取れなくなったので、別の場所を手配しているようだった。
「隠れ家でも探してるの?兄さん?」
「ああ、急なことでなかなか難しいけど」
「心当たりあるよ。今、電話して場所を押さえたところ」前野は、兄に言う。
「そんな場所、どこにあるって言うんだ?」
「新しくできた、商業ビルさ」
「セキュリティーは?」
「カードキーで管理されてて、地下から直で上に上がれる。部屋の前には警備も付けられる。人を呼ぶなら上のホテルで会える。完璧だよ」
「わかった。頼むよ」
警備会社と連絡を取って、兄に会わせる手はずを整えた。
「戻ってくるつもりなのか?」
兄がぶっきらぼうに答える。
「いいえ。そのつもりはありませんよ」
いつも、真面目くさった顔してる兄なので、表情だけでは歓迎してるのか、迷惑なのか分からない。
「やぱり、こういうことは、お前の方が向いてるな」
かつては、一方的に自分は邪魔な存在だと思っていた。
腹違いの弟が近くにいるのは、嬉しくないだろうと思ったけれど。
「なに言ってるの。俺は、もう普通のサラリーマンだよ。後を継ぐのは兄さんでしょう?」
「後悔してないのか?」
「してないよ。今は、自分のやりたいことをしてますから」
「そうか」
「それより、金融庁の査定のことで聞きたいことがあるんだけど」
「聞かれても、全部は答えないぞ。言えることだけな」
「なんだ?相手は、金持ちの女か?」
「お金持ちには違いないね。そのうち紹介するよ」
父の部屋を出て、兄の居場所を探す。
リビングに行って、父の秘書をしている、異母兄弟の兄の姿を見つける。
事務所の人間と話していて、会話が途切れるまで待つ。
自宅前の取材陣に囲まれて、身動きが取れなくなったので、別の場所を手配しているようだった。
「隠れ家でも探してるの?兄さん?」
「ああ、急なことでなかなか難しいけど」
「心当たりあるよ。今、電話して場所を押さえたところ」前野は、兄に言う。
「そんな場所、どこにあるって言うんだ?」
「新しくできた、商業ビルさ」
「セキュリティーは?」
「カードキーで管理されてて、地下から直で上に上がれる。部屋の前には警備も付けられる。人を呼ぶなら上のホテルで会える。完璧だよ」
「わかった。頼むよ」
警備会社と連絡を取って、兄に会わせる手はずを整えた。
「戻ってくるつもりなのか?」
兄がぶっきらぼうに答える。
「いいえ。そのつもりはありませんよ」
いつも、真面目くさった顔してる兄なので、表情だけでは歓迎してるのか、迷惑なのか分からない。
「やぱり、こういうことは、お前の方が向いてるな」
かつては、一方的に自分は邪魔な存在だと思っていた。
腹違いの弟が近くにいるのは、嬉しくないだろうと思ったけれど。
「なに言ってるの。俺は、もう普通のサラリーマンだよ。後を継ぐのは兄さんでしょう?」
「後悔してないのか?」
「してないよ。今は、自分のやりたいことをしてますから」
「そうか」
「それより、金融庁の査定のことで聞きたいことがあるんだけど」
「聞かれても、全部は答えないぞ。言えることだけな」


