男嫌いな女王様とクールな臣下


朱音が始めようとしているプロジェクト、「B.C. square TOKYO」プロジェクト。
このプロジェクトは世間の注目を集めている。

大手デベロッパーが仕掛けるのは、だいたいが家族、富裕層の若者向け、シニア世代向けなどののコンセプトだ。他の一般的なものと切り口が異なっている。

「B.C. square TOKYO」のターゲットは、全世代すべての女性だ。

ターゲットにする層が女性だというのに、よりによって、注目しているのは、男性だという結果にも驚かされた。

実際、調査を裏付けるように、男性向けの雑誌の方が取材回数が多い。

「社長が注目されるのは、仕方ないことです。会社の為ですからね」

「こういうのは、プロジェクトの評価と何の関係もないじゃないの?」

「そうでしょうか?社長自身が女性であるという強みを武器に、政府の女性参画プロジェクト、女性団体からの後押しを受け、様々な方面から議論がされています。
だったら、社長ご自身で旗を振って先頭を歩くべきでしょう?
他人任せにするおつもりですか?」

「注目されて、よい事ばかりが起こるわけではないよ。影山」

注目を集めるように刺激的に宣伝を打つのは当たり前だ。

けれど、過度に煽るのはリスクがある。
会社のブランドイメージを傷つけるかもしれない。