はぁ、なんなの、この二人?

御剣さんの言う事は絶対なの?

「あのね、『どり†あす』を見るのは一般人のファンの皆なんだよ?マネージャー一人の言う事とか好みとかいちいち聞いてたら、人気なんて落ちるよ?」

御剣さんの言う事全部聞いてたら、この二人は『どりぃむ†あすとろのぉつ』じゃなく、ただの『御剣さん好みのアイドル』だ。

人気が落ちるのも当たり前。

流行りを全部知る必要は無いけど、それなりに知ってないと芸能界じゃやっていけないでしょ。

「そ、それもそうか……」

「リオン、反省〜」

二人はしゅんとする。

「ありがとうね、蝶羽ちゃん、参考になったよ」

御剣さんもお礼を言ってくれた。

……うーん、成り行きとはいえ、アイドルに叱咤する今の私って、傍から見たら凄いのかも。

ふふ、なんか楽しい!

調子に乗った私は、机を叩いて立ち上がる。



「よし、それじゃ、出かけよう」

「ふぇっ、こんな時間に、どこに?」

「スチバ。南龍彗なら、すぐ近くにあるよね?」

「え、あぁ、事務所の近くに一つあるけどよ……なんでだ?」