「うわぁ〜ん、蝶羽ぁ〜!!」

亜希乃が蝶羽ロスでぐずりだした。

ガキか、お前は。

まぁ親友が二時間以上経っても行方不明なのは、不安だよね。

もう外は暗くなってきてる。

捜査を続行させるのは大変じゃないかな……

「目撃情報……は、無いか。車の中で、しかも箱に入ってんだもんね」

天馬兄ちゃんが髪を掻き毟って、珍しくイラついてる。

他の兄さん達も、ほぼお手上げ状態だ。

何も情報も手がかりもない。

……いつの間にか、みんな黙り込んで、静かになってしまった。

「あっ、あ、あのっ、テレビでも見ません?ずっとPCや資料とにらめっこしてても、頭痛くなっちゃいますし!」

さすが鳳莉。国民的アイドル。

皆を笑顔にしたいって気持ちが人一倍あるから、こういう時すぐ行動に移せる。

「鳥馬さん、TVとリモコンお借りしますね!」

「……どーぞ」

ピッ、と鳳莉が電源を入れた。