「兄貴、ここに用意してた機材は全部回収したぞ。家で確認とろう」

「あぁ、鳥馬と椎馬にも連絡しような」

「僕がもうしたよ」

「ボクっちも帰るよ!店長も見てたからね。OK貰った」

もう兄さん達がテキパキと次の段階に移ろうとしてる。

「阿弓、帰るぞ。鳳莉ちゃん、亜希乃ちゃんもおいでー」

「「は、はーい」」

亜希乃と鳳莉が天馬兄ちゃんの方に走っていった。

「……阿弓?」

蝶羽……

大丈夫かな。

そんなに弱くない奴のはずだけど、動きは塞がれてたし。

もし、このまま私達の前に戻って来なかったら……

もし、殺されちゃったら……

「阿弓!!」

透馬兄様が私の肩を強く掴んで揺さぶる。

珍しい。

オネエ気質のある透馬兄様がこんな事するなんて。

驚きでハッと我に帰れた。

「蝶羽ちゃんが心配なのは、ボクっちも分かるよ。でも、そうやってクヨクヨ考えたり後悔してても、今の蝶羽ちゃんは危ない状態のままなんだ。どうせ悩むならまずは、助ける手段を考えるのが良いんじゃない?」