言われた通り庭園に行くと、色とりどりの花花が私を迎える。
ピンク色のアネモネ、白いアザレア、クチナシ、コチョウラン、シクラメンやダチュラ。
色々な花が咲き乱れる中、彼はいた。
赤い薔薇の前に立って、花びらを撫でている少年にしては大人び、青年にしては幼い、不思議な彼が立っていた。
私に気がついた彼は、ゆっくり口角をあげて、駆け寄ってきた。
「エルネスタ様!」
ぎゅっと抱きしめられて反応が遅れる。
慌てて彼を押し返すと、すんなり離れた彼は。
「申し訳ありません、嬉しくてつい。来てくれてありがとうございます」
と言ってニコニコと笑った。
「あ、はい……いえ別に……」
キラキラとした笑顔が眩しくて、扱いに困って、しどろもどろに返す。
そんな私の反応が不満だったのか、それとも不安に思ったのか。
「僕、嫌われてます?」
と、片眉をあげて聞かれた。
直球で来たことに対して慌てて首をふる。
……………ふってしまった。
あぁほら、ニコニコ天使のような笑を浮かべてらっしゃる。
……………………うぅ。
「僕、どうしてもエル様とお話したくて」
そういいながら、彼は私の手を引いて庭園の奥へ。
庭園中央にある噴水の前、そこにあるベンチの前に座る。
そして隣に強制的に座らされる。
………………この状況を誰か説明してくださいな?