ギルバート。
その名前を聞いて顔が歪んだのを見た鳥は。
『………ダメ系?』
と、小首を可愛らしく傾げていた。
「だって、なんか舐められてる気がするのよね」
あいつ、私のこといいだけ見といて、手の甲へのキスだけで許してもらおうとか、安すぎる。
『エル様は現実的に考えすぎよねぇ』
「そうかしら」
『まぁまぁ、でもやっぱりギルバート様はダメ!エル様、ヴィンセント様がいいでしょ?』
『あっ!それならアルバート様でしょー!?』
「ほらほら、落ち着いて」
私は腕に止まっている鳥たちを落とさないように、2羽の羽を撫でた。
『むー』
「ふふ。……んー…ヴィンセント………は」
なんというか、一言で言うならば。
「固そう………」
『え?』
「なんか、王の妻となるならばなんちゃらーとか、そう言ったことに厳しそう」
『…わかる気がする』
まぁでも、確実に言えるのは。
「あの中では一番常識人だと思う」
色魔な弟と甘えたな弟を持つと苦労しそうだ。
『アルバート様はぁ?』
「んー……苦手」
かわいい系男子って、どう扱ったらいいのかわからない。
………すぐ涙浮かべるし。
『じゃあ第一印象は良くないのね』
それは言える。
うん、と鳥たちに頷くと、彼女たちは顔を見合わせて。
『まぁこれから知っていけばいいんじゃないかなぁ』
『そうそう、知っていけばきっとね…』
『うん、きっと』
と、なんだか気を使ったことを言われて、申し訳なく思った。
そして。
………鳥たちには悪いけれど、決めた。
なるべく関わらないようにしよう。
結婚が嫌という話でなく、単純に。
関わりたくない系兄弟かもしれない。