王子達の挨拶が終わり、王女が一言言ったあと、一旦お開きということになり。
そしてすぐに、両国の関係について話し合おうということになった。
そこに参加するのは、両国の王と、その后だが、ここでは后はシンデレラ1人だ。
そして王子達も社会勉強ということで参加することになった。
唯一関係のない王女は早々に部屋に戻っていった。
長いテーブルにつくと、この国の王である彼が口を開いた。
「…この婚姻によって両国がより友好になれることを願うばかりです」
隣国の王が、その言葉に待ってましたというように声を上げる。
「えぇ、息子達の誰かが、そちらの姫と恋仲になれば、それは…」
「ですが」
嬉嬉として話す王の言葉を遮り、エルネスタの父王は不敵に笑った。
「娘はどうも結婚というものによい感情を持っていないようです」
彼が気付かれないように視線を3人の王子に向けると、彼らは緊張したような、それでいて期待しているような顔を浮かべていた。
「……………それは…」
王子達と対象的に、顔色をサッと変えた王には構うこと無く、父王は続けた。
「この話は娘が選んだ者と、というものでしたね」
くす、と小さな笑い声をもらすと、意図を察した隣国王は王子達に視線を向けた。
「……娘が誰も選ばなかった場合は、それも契約にのっとって、破棄、ということにさせていただきます」
「っ、………それは……」
「はい、国王様」
慌てて何か言おうとする王の言葉を遮り、彼の長男は柔らかく笑った。
「私どもが誰も姫の心を手に入れられなかったのならば、それは仕方ありません。ですが………必ず、振り向かせてみせましょう」
柔らかな雰囲気をまとっているのにも関わらず、彼の言葉には強い意思が見えた。
彼の隣に座る2人も、そっと微笑んで頭を下げた。
その瞳にも、自信の色が濃く伺えた。
「期待していますよ」
父王がふっと微笑んで告げると、彼らは笑みを一層深くするのであった。