やっと王様の挨拶が終わり、お父様がそれに応えると、王様の意識が私に向いた。
「王女様、お初にお目にかかります。なんともお美しい………。お后様にそっくりでございますね」
「あ、ありがとうございます……」
うわぁ、始まったよ。
今日は私の婚約者を決めるのだから、まぁ私に移るのだろうとは思ったけど。
にげたい。
今になって嫌になってきた。
大体、私相手の写真とか何ももらってないのよ?
情報が王子ってことしかないのに。
前もって小鳥たちに聞いておくんだった。
後悔の念が胸を横切る。
「では、うちの息子達を紹介させていただきます」
不安を感じつつ視線を上げると、3人の男性が前に出た。