ポケットからスマホを取り出してディスプレイを見れば、そこには思っていた通りなず姉の名前があった。
「なっちゃんからでしょー?コトリ君、早く出なよ」
目の前では藤邦さんがニヤニヤしながらお茶を食べている。
……この人、どうなるか分かってて一方的に用件伝えて電話切ったな。
俺は深くため息を吐くと、出るまで鳴り止まないであろう電話に出た。
「もしも──」
『天河ァアア!今すぐそいつを家から追い出せ!警護なんてあたしがどうにかするからその女を家に居座らせるな!』
出た瞬間、耳を女とは思えないほどの怒声が貫く。
鼓膜が破れる!
反射的にスマホを耳から遠ざけるけど、離してもなず姉の声はしっかりと聞こえる。
「なず姉、声のボリューム落として!鼓膜が破れる!」
離したスマホに向かって叫ぶと、更に大きな声で『声でかい!うっさい!天河も声下げろ!』と理不尽な返答が返ってきた。
いやいや、なず姉の声の方がでかいし、うるさいわ。



