「その後、切碕は監視を潜り抜けて脱走、七年経った今でも捕まえられずにいる」
藤邦さんは話終えるとお茶を飲んだ。
日本政府が悪事を減らすために生み出したモノが悪事を働いている。
それにしても、何で人体実験なんて行っているのに公にされない?
いくら秘密裏にとはいえ、何処かでバレてもおかしくはない。
それなのに、何で──。
「──君の考えていることのヒントをあげようか?」
ふと、藤邦さんはソファーの肘置きに肘を乗せると俺を真っ直ぐ見据えてきた。
まるで俺の思考を読んでいるような言い方に、俺は固唾を飲む。
「全ては私達の手の中だよ」
藤邦さんはそう言うと、スッと目を細めた。



