「さあ、良い声で鳴きなさい……」
安倍明晴の言葉と共に、彼女が苦しそうに息をし始める。
恐らく、術で呼吸を止められようとしているのだろう。
その証拠に彼女の首は見えない力で締め付けられているかのように、細くなっていく。
駄目だ、もう見ていられない。
「止めさせろ、切碕!彼女が何をしたんだ!?」
俺は切碕に向かって怒鳴った。
でも、切碕は聞こえていないかのように薄ら笑いを浮かべながら彼女にゆっくりと近付いていく。
切碕が近付くと安倍明晴が術を解いたのか、彼女は苦しそうに息を吸いながら座り込んだ。
「彼女が何をしたんだ?って言ったよね、天河君」
「……それが何だ?」
「彼女は何もしていないよ。ただね……」
いつの間にか切碕の左手には鋭利な刃物が握られている。
まさか……っ!



