「生まれてくるその子の為にも、なっちゃんの為にもなっちゃんにはもう任せられないよ。それに、これは三名家の決定だから覆ることはない」
もうなっちゃんは苦しまなくて良い。
最初からこうなる気がしていたんだ。
彼を殺すのは多分、私になるだろうと……。
私はなっちゃんから叔父さんに視線を移した。
「叔父さん、なっちゃんの主治医は?」
「五月さんだ」
五月叔母さんなら安心かな。
五月さんはうちのお母さんの妹で、叔父さんの奥さんだ。
優秀な産婦人科医で、精神科にも明るい人だ。
だから、万が一のことがあってもなっちゃんをフォローしてくれるだろう。
「……藤邦アリス」
ふと、なっちゃんが私を呼んだ。
「何?」
「……済まない。……頼んだ」
その言葉にどれだけの意味が込められているのか私はちゃんと分かっていた。



