切碕がやったことは許されない。
だけど、何故か他人事とは思えなかった。
もし、自分の立場だったらと考えると俺は切碕のように……。
すると、母さんは俺の方に手を伸ばしたかと思うと頬つねってきた。
「いひゃひゃひゃ……っ!」
「天河、貴方がヒカリと同じ立場だったとしても貴方はそんなことしないわ。貴方は切碕じゃない」
つねられた頬が離されると、母さんはまた笑った。
今度は違った。
穏やかな笑顔ではなく、悲しそうな笑顔だった。
「普通に産んであげられなくてごめんね、天河」
その言葉に俺は全てを母さんに見透かされているようか感覚がした。
俺がアリスさんが好きなことも、今から何をしようとしているのかも全て。
「……母さんは全てお見通しなんだね」
自分でも情けないくらい声が震えた。



