「切碕に名前を与えたのは一人の女の子だった。天河、貴方がよく知っている子よ」
俺が知っている子?
……まさか──。
「切碕の名前は≪ヒカリ≫。その名前を与えたのは幼い頃のアリスちゃんよ」
母さんの言葉が俺が思っていたことと一致する。
切碕の名前がヒカリで、名付けたのがアリスさん。
その事実はあまりにも複雑だった。
「アリスちゃんは切碕が……ヒカリに名前が無いのがおかしいと思ったらしいわ。世の中の全てに名前があるのに、彼にだけないのはおかしいって……」
ああ、彼女なら言いそうだ。
でも、ヒカリとは切碕には意外すぎる名前だ。
「……あの頃の全てをマスターしていない切碕には全てが闇しかなかった。そんな彼の全てに光があるように、とアリスちゃんが名付けたの」
母さん曰く、その名前を貰ったとき切碕は泣いて喜んだらしい。
その話を聞いていると、アリスさんが風間さんに名前に与えたときの話を思い出す。
認められたいなのに、名前が欲しいのにもらえない。
そんな二人を救い出したのは一人の女の子だった。



