「さて、裏切り者を始末しようか。朱鷺、潮姉さん、大切な人に見送られて逝くと良い……」
切碕は赤い目に狂気をたたえながら左右の手に拳銃を持ち、風間さんと母さんに向けた。
「止めろ、切碕!」
俺は切碕を止めようと駆け出すが、間に合いそうにもない。
「──じゃあね、二人とも」
拳銃にかけられた指に力が込められる。
このままじゃ、二人は──。
俺はまた助けられるかもしれない命を助けられないのか……。
と思った、その時──。
パァン!
一つの銃声が響くと切碕の体がヨロリとよろけた。
その銃声は俺の後ろからした。
「小鳥遊星司……っ!」
切碕が撃たれた脇腹を押さえながら睨む先には父さんがいる。
「潮が命懸けで家族を守ろうとしていたなら俺達も命懸けで潮を守る」
父さんはもう一発切碕の体に弾丸を撃ち込んだ。
今度は肩に命中する。



