「母さん!?」
「彼の邪魔をしないで、天河」
彼って切碕のこと?
何だよ、それ……。
息子より弟の方が大事だっていうのかよ……。
俺は母さんに対する怒りが込み上げてきて、もう自分が抑えられなかった。
「ふざけ──」
「彼の……朱鷺の邪魔をしないで……」
「!?」
俺にしか聞こえない声で母さんは確かにそう言った。
どういうことだよ……、意味分かんないんだけど……。
「朱鷺……っ!」
すると、アリスさんの悲鳴に似た声が聞こえた。
声がした方を見れば、アリスさんは地面に尻餅をついていた。
でも、彼女が見つめる先の光景に俺は言葉を失う。



