「朱鷺は命懸けでこれを周に……」
切碕が裏切り者をそのままにしておくはずがない。
理事長が言うとおり、風間さんは命懸けだったはずだ。
裏切ったら、奴に殺される──。
それを分かっていながら彼は切碕を裏切り、奴の考えている思惑をアリスさん達に阻止してもらうためにこのノートを送ってきた。
「風間さん……」
拳を握り締めると、ポケットに入れているスマホが鳴った。
ディスプレイには和泉の名前が出ている。
「もしもし?」
『あ、天河!今、何処にいる!?』
和泉の早口に、俺は気圧されてしまう。
「今、寿永さんん家だけど……」
『周さんん家!?』
裏返り気味の和泉の声に、『寿永家に居んの!?』と違う声が電話から聞こえる。
この声は翔平だ。



