すると、切碕は小さく息を吐いた。
「当たりだよ。やっぱり君は賢いね、アリスちゃん」
奴の口から発せられたのは肯定の言葉だった。
アリスさんは一瞬動揺したが、すぐに怒りを露にして切碕の頬を叩いた。
「アリスさん!」
切碕相手にそんなことをしたら、何されるか──。
「何で朱鷺にお父さんを殺させた!?朱鷺にとって、お父さんは──」
すると、切碕は胸ぐらを掴むアリスさんの手を離すと、切れて血が伝う唇を拭った。
「……アリスちゃん。朱鷺は自らの意思でやったんだよ。僕はただ、それをアシストしただけ」
「……っ」
唇を噛んで俯いたアリスさんを一瞥した切碕は俺の方に向かって歩いてきた。
「….…さぁ、また楽しいことの幕開けだよ」
楽しそうに口角を持ち上げながら、切碕は去っていった。
奴の言う楽しいことは嫌な予感しかしない。



