そんな彼をやっぱり放っておけない。
私はゆっくり近付くと、踞るコトリ君の頭を抱き締めた。
「止めてください、アリスさん……っ。俺は……俺は……っ」
暴れるコトリ君を私は更に抱きくるむ。
そして、そっと背中を撫でた。
「大丈夫。大丈夫だよ、コトリ君。落ち着いてゆっくり深呼吸して」
荒くなっている呼吸を普通に戻すようにゆっくり拍子を取りながら背中を撫でる。
すると、次第にコトリ君の呼吸が落ち着いていく。
強張っていた体からも強張りがなくなった。
「すみません、アリスさん……」
腕の中の彼が小さな声で謝ってきた。
「謝らなくていいよ」と言うように背中を叩いて、体を離そうとした。



