「三月さんの言うことも分かるけど、アリスの言うことも分かる。私もこんな実験はしたくない。でも、これは国の──」





「そんなことは分かってる。分かってるからこそ許せないの」




「アリス……」




「じゃあ、私行くから」




私は手短にお父さんと話を終わらせて、コトリ君のいる部屋へ向かう。




国の命令なのは分かってる。




でも、わたしにはそれを割り切ったり、受け流すことなんか出来ない。




「何だかな……」




自然とため息が出てきた。




コトリ君がいる部屋に着くと、起きてないだろうけどドアをノックしてドアを開ける。



やっぱり、彼は起きてなかった。