「莉瑚、大人しく自首しろ」
「嫌に決まってるじゃーん。……今からやることがあるんだから……」
突然、莉瑚は俺の方に歩いてきた。
隣にいる翔平と和泉も警戒した様子で莉瑚を見ている。
「ホントに天河って優しいよねぇ……。でも、あたしを好きになってくれない……」
目の前に来た莉瑚は俺の頬に手を触れたかと思うと、唇を重ねてきた。
軽く触れて離れた莉瑚の口には笑みが浮かんでいる。
「……だから、殺すね」
腹部に鈍痛を感じた。
視線を下に向ければ、俺の腹に莉瑚が持っていたナイフが刺さっていた。
「──っ!」
腹部に感じる痛みに耐えながら莉瑚を突き飛ばすと、その場に膝をついた。
「天河!」
和泉と翔平が慌てて駆け寄ってくる。
「うっ……」
さっき莉瑚を突き飛ばした拍子に刺さっていたナイフが抜け、傷口から血が溢れてきた。



