──が。


「ぎゃあぁああああああああああぁッッッッッ!!!!」



断末魔の叫びのような悲鳴に、俺はイヤホンをしまうと反射的に路地へと身体を滑り込ませた。



入って少し行った所で、目に映る鮮血の赤に足を止める。



その赤は壁に寄り掛かるようにして座る女の人の身体から流れ出ていて、その身体からはいくつかの臓器が引きずり出されていた。




吐き気を催しそうな光景に視線を反らしたくなるが、不思議とそういった感情は抱かない。



寧ろ、何処かで見たようにも思えて……。